分子とは、原子が結合してできた物質の基本的な構成単位であり、その物質の化学的性質を失わない最小の粒子です。例えば、水（H₂O）は酸素原子1つと水素原子2つが結合した分子で、水分子は水の性質を保っていますが、これをさらに分解すると水の性質は失われます。
分子について、もう少し詳しく説明します。
分子の定義:
分子は、2つ以上の原子が結合してできた、電気的に中性の粒子です。
分子は、その物質の化学的性質を失わない最小の単位です。
分子は、主に共有結合によって原子が結びついてできています。
分子の種類:
単原子分子：ヘリウム（He）のように、1つの原子で構成される分子です。
二原子分子：水素（H₂）、酸素（O₂）、窒素（N₂）のように、2つの原子で構成される分子です。
多原子分子：水（H₂O）、二酸化炭素（CO₂）のように、3つ以上の原子で構成される分子です。
高分子：セルロースやタンパク質のように、数千～数万個の原子からなる分子です。
分子と原子の関係:
原子は物質を構成する最小の単位で、分子は原子が結合してできたものです。
例えば、酸素分子（O₂）は、2つの酸素原子が結合してできています。
水分子（H₂O）は、酸素原子1つと水素原子2つが結合してできています。
分子を構成しない物質:
金属は、原子が規則正しく並んで結晶を構成しているため、分子という概念では捉えません。
食塩などの結晶も、陽イオンと陰イオンが規則正しく配置されているため、分子は存在しません。
分子の大きさ:
分子の大きさは、通常、オングストローム（Å＝10⁻¹⁰m）を単位として測定されるほど小さく、肉眼では見えません。
しかし、分子は激しく熱運動しているため、気体分子中の粒子の動きや、ブラウン運動（水面上に分散した花粉の微粒子やタバコの煙の動き）などで、間接的に分子の存在を知ることができます。
最近では、電子顕微鏡の進歩により、分子の像を直接捉えることも可能になっています。
分子と物質の性質:
物質の性質は、分子の性質によって支配されます。
例えば、色素が美しい色を示すのは、分子1個1個の中の原子の配列によるものです。
分子が水酸基（-OH）を持つと、水に溶けやすい性質を持ちます。
