🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:40🦈くんは元人間の水龍
本に引き寄せられてやってきた神に近いもの
後にファヴィエくんの友人枠になる
🦈くんは貧しい村で生まれた5人兄弟の末っ子
生まれつき体が弱くて外に出たことは1度もなかった
父母は優しかったが兄弟は優しくなかった
それはそう
貧しい村で5人兄弟で、父母入れて7人家族
食べ盛りな兄弟たちは毎日朝から自分たちの手で食べ物や仕事を得ていた
だが🦈くんは体が弱いせいで何も出来なかった
家にとって、兄弟にとってお荷物だった
でも、父母はそれでもいいと、生きているだけでいいと
その数年後、数年ぶりの飢饉がやってきて父母は病気になって死んだ
兄弟たちは思った
何もせずに食べ物も寝床も得ている🦈が羨ましかった
あいつは寝ているだけでいいと
もちろん床に伏してる🦈くんの気持ちなんて分かりっこないが、彼らの気持ちを🦈くんは理解しようとしていた
自分たちの食べ物だけじゃなく、
🦈くんのためにも食べ物が必要で、
寝床も必要で、
寝ようと思っても彼の苦しむ声が邪魔で、
なによりお金が彼の薬代で消えていく
はっきり言って邪魔だったのだ
コメント(18)
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:42
次の飢饉は天災だった
雨が降らなかった
半年も
村の人間たちは祟りだの、神の怒りだの
ふざけたことをのたまった
そして村のお偉いさんたちの会議で決まったのだ
「子供の贄を出して怒りを沈めてもらおう」
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:44
真っ先に狙われたのは親がいない子供たちだった
だが、元気な子供を村の人達は贄にしたくなかった
男は働き手にするため
女は子供を産ませて人数を増やすため
なら要らないのは?
まともに動けない怪我をしたヤツ
もしくは生まれつき病気持ちのヤツ
村にとってマイナスにしかならない子供を探した
そして5人兄弟の末っ子である🦈くんに目をつけた
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:47
満月の夜
🦈くんは村のお偉いさんにお外に連れていってもらった
初めてのお外に彼は喜んだ
土の匂い、海の音、風で揺れる木々の音
そして何よりも美しい空と月
おぶられて海がよく見える崖に連れてこられた彼は始めてみる海に興味津々だった
村の長に「海を覗いて見てご覧」と言われた彼は何も疑わずに崖の下を覗き込んだ
のと同時に背中に軽い痛みが走った
背中を強く押されたのだ
彼はそのまま海に真っ逆さま
初めて入った夜の海は冷たくて痛くて何より苦しくて
這い上がることさえ知らなかった彼はそのまま沈んでいった
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:48
上では村の大人共が龍神に捧げるのりとを唱えていた
「贄と引替えに雨を降らしてくれ」とな
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:50
龍神は🦈くんを見つけた時、もう彼の心臓は動いてなかった
だが満足そうに
「これでよかったんだ」とでも言うかのように
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:50
それが気に食わなかった
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:51
龍神は🦈くんに自分の力を全て注ぎ込んだのだ
彼はまだ小さな幼子が世界を知った瞬間死ぬことが何よりも許せなかったのだ
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:52
龍神は衰えていた
彼だって神だ信仰がなければ弱くなる
今更の信仰と願いで自分の力が回復する訳もなく、いっその事この力を引き継げる人間を探していたのだ
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:54
龍神の力を全て注がれた🦈くんは体がそれに応じるかのように青年へと成長し龍の姿にはなりえなかったが、尾びれと背びれが生え、海の捕食者とよく似た姿になった
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:55
「お前を殺したヤツらは雨を降らして欲しいと願った……だが、降らす役目はもう余ではない、貴様が決めることだ」
それが最後の言葉だった
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:55
🦈くんはその力を降るって人間たちを助けようとした
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:55
降らした雨は酸性雨だった
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:56
だって彼は知らなかったから雨を
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:57
そして彼は酸性雨で逃げ惑う人間たちを見て思ったのだ
「あァ、なんか憎たらしイや」
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:57
そして彼は世界の9割を海にした
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 20:57
海底には彼の家が村が街が広がっている
🦈蠱毒の蟲🦈
2025/8/14 21:00
🦈くん
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