私は天使なんかじゃない。悪魔でも、堕天使でもない。

猫又？そんな訳ないよ、御伽噺を三次元に持ち込まないでね。

造られた、存在だ。

あの子達が酸性雨で溶かされようとも、私は溶けない。世界が朽ちても、終わらない存在。独りぼっちに飽和しながら、ずっと座ってるだけ。

寂しい、淋しい。ニンゲンらしいあなたを嫌っていた私も、こんなに情が湧くんだね。

朽ちゆく貴方の幸運を祈る。生き汚く生きる貴方の幸運を祈る。

私は生涯をそんな物分りが良い弁えている'人間'として全うしなければならない。

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聞き慣れたヒールの音。それに似合わぬ和服。

私は何も出来なかった。あなたは朽ちた。

薄情と罵ってくれませんか、化けて出てはくれませんか

何故、私はあなたの居ない世界で生き続ける？

天才、天才、天才。そう言われ続けても、いつしか声が途切れるでしょう。

グロテスクな血肉となり、赤血球が融合する。

忘れさせられる間際の絶望とつい眺めてしまう特定の色彩と。

目には見えないもの。たくさんある。滝や、猫の悲鳴、痔、魔女、麓、バイブル、tight、ゴミステーション、日差し、スカイスクレイパー、釘、不思議な気持ち、せんべろ、クリスタル。

好転の予感は途切れた。

何も遺す事は無い。

私はただ、生きた形のチュートリアルだけを刻んだ。

エンドロールは流れない。

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