今日はデールのやつ出せないかもすまん。
その代わり………考察してみてね。














「家を出て。」


兄は言い放った。

何の前触れもなく、突然と言われた。

「え…？なんで………？」
「そんなこと聞くな。ほら、支度して出ろ。」

兄はそんなコトを言うような冷たい悪魔ではなかった。
優しくて、いつも他人本意な兄。

だが今日は、覚悟が決まったような顔をしていた。
「うん…分かったよ…」
「いい。それで良いんだ。また…会えたら会おうな。」
最後に見た兄の顔は、どこか切ない笑顔だった。



「あら、何処に行くの？」
「…………家を出るんだ。ほっといてよ。」
母が声をかけてくる。少し…いや、大分過保護な母親だ。
「なんでよ？今日は重要な用事じゃないの。」

「…そんなの聞いてないよ。じゃあ。」
「待ちなさい！！！！ちょっとｯ…貴方！！！！！！！！」



それ以降は走り続けた。



電話をかける。此処は大分田舎だけど…

「あの、先輩。」
「え…あー、、、どうしたの？」
「俺、家出しまして…」
「え！？そ、そう…」
「泊めてもらっても？」
「あっ、あ…え？とりあえず一日だけ…」
「ありがとうございます。」
よし。電車乗って…3時間かからないと良いけど。

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