龍様「今日は楽しかったな〜」

子供「うん！また明日も遊べるの？」

龍様「もちろん！いつまでも遊べるよ、ずーっと」

子供「ホント？やったー！！」

龍様「…じゃかえろうか、こっちだよ」

子供「うん！」
















「待て、そこの子供」

「お前の帰るべき場所は……あっちだろう」

父「××！帰るぞ〜！」
母「今日は××の好きなカレーよ！」

子供「お父さん！お母さん！！」

父「いないな、どこに行ったんだ？」
母「きっと遠い所まで遊びに行っちゃったのよ、心配だわ……」


「……早く行かないと、お前の両親はお前を置いていくぞ」

子供「いやだ！！！お父さん！お母さん！！」















龍様「酷いねぇ、子供に嘘つくなんて」

「まだ生きてる子供を連れていこうとした貴様に言われたくないな」

龍様「いーや？彼は目覚めても地獄しか待ってない。それなら外で遊びたいっていう願いを叶えてあげようと思っただけさ？」

「善意か？」

龍様「もちろん善意だよ？」

「それで何人現世（うつしよ）から子供を奪ってきた？」

龍様「さぁ？」




龍様「………もういいかい？君と話してると殺意が湧いてくるよ、ビシュヌ」

ビシュヌ「奇遇だなｧ？俺も"何故"か貴様を殺したくて堪らないんだが」

解説

子供:交通事故で意識不明の重体になった子
両親:その子供の親

地獄とは:子供が意識不明になってから20年という月日が流れた

子供は知らない間に成人
両親は既に他界
動かない体、痩せこけた顔、知らない人達、育ってない心、居なくなった親、それはおそらく子供にとって地獄

龍様は子供を天国にも地獄にも連れていかず、自分の目として"ほかの子供たち"と遊ばせるつもりで連れていこうとした

対してビシュヌは、死んでもなお我が子を探してる親の元に子を案内した

嘘:両親はお前を置いていく

龍様曰く「もう既に置いて（死んで）ったじゃん」

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