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アプリからのみです
送る悠莉@共産党
2025/5/6 00:27( ˙꒳˙ カフェ1 )
カランコロンカラン
「あら…いらっしゃい」
ドアベルが鳴ったのに気付き、声を掛けられる。黒髪ロングの獣耳が生えた若い女性が一人。こちらを見て微笑んでいるが、その裏に少しの驚きが見える。
それもそうだ。何日もお風呂に入っていない身体。ボロボロで不潔な衣服。ハーフになった影響で翼で生えたさえも、放置されて醜くなっている。明日の命すら怪しい人が来たのだ。そうなっても仕方がないだろう。
「あの…ここで働けるって聞いたんですけど…」
半信半疑でそう問いかける。噂によればここは唯一のハーフの救いの場とのこと。もうここがダメだったときは、諦めるしかない。
この世界はハーフに厳しい。一般の人が難なく受かるものでも、ハーフというだけで落とされることが幾度となくある。実際に私も、もう何十社と落とされている。最初こそ私に問題があるのでは?と思ったが、今となっては半分諦め状態だ。どうやらこの影響を受けていないハーフも一部のいるらしいが、他人の身より我が身だ。少なくとも私は選ばれなかった。それを受け入れて生きていくしかない。まあ、もう後がないが。
「従業員志望かな?勿論働けるよ。一応確認だけどハーフだよね?」
働けるということに驚きと安心と喜びが押し寄せて来た。そんな感情で涙が溢れそうになったが、折角のチャンスでしっかり話さないわけにはいかない。涙をグッと堪えて
「そうです」
と答えた。泣きかけながらだったので、聞き取りずらかったと思う。だが彼女はそれを聞いて一層笑顔になり、立ち上がる。迎え入れる準備をするのだろうか?私はその行動に心を躍らせる。こんな自分でも受け入れてくれるこのカフェに、心からの感謝をした。私はこれから先も生きていける。生活ができる。それだけで幸せで嬉しかった。