のーねむ
2024/1/13 18:51#書くのーねむ
『暗がりの中で』
──コロナウイルス感染者が……
ぐしゃっ
──人種差別による……
ぐしゃっ
──性的マイノリティの権利は……
ぐしゃっ
──大国同士の戦争に……
ぐしゃっ
ぐしゃぐしゃ ぐしゃっ
……今日は運が良い。
日課となっているゴミ捨て場の散策をしていたら、沢山の新聞が纏めて捨てられているのを見つけた。
信号機を待っている間に数えてみれば、だいたい一月分は寒さを凌げる量があった。
新聞紙はよく燃えるから、暖を取るには最適なのだ。
人気のない橋下、一斗缶の中で燃え盛る炎に丸めた新聞紙を放り込む。
一つ、また一つ。
最近はますます冷え込んで、日が暮れるのも早くなってきた。
火をおこした時はまだ明るかった気がするが、今ではもう真っ暗だ。
(……そうか、冬が来るのか)
ならば何かしらの対策をしなければ凍えて死んでしまうだろう。
そういえば最近知り合った男が、刑務所で冬を越せたと自慢げに語っていた。
そこでは雨風を凌げるのは勿論、飯も出て、そして何より人権とやらがあるらしい。
いけ好かない男ではあったが、一度試してみるのも悪くはない。
刑務所の入り方ぐらいは知っている。
犯罪を行なえばいいのだ。
善は急げと言うし、思い立ったら早めに行動した方が良いだろう。
ではさっそく──
「コンビニのお握りでも盗みに行こうか」
暗がりの中、炎に照らされた何かの影だけが、チラチラ チラチラとたなびいていた。
コメント(3)
のーねむ
2024/1/13 18:53
何時も暗くてすみません
こちらも過去作です
のーねむ
2024/1/13 18:55
ちなみにホームレスの方でも、生活保護申請は出来るそうです
念の為、憶えてます
のーねむ
2024/1/14 20:23
リアクションありがとうございます!
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