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神社は大抵17時に閉まる。


神社には朝の顔と夜の顔がある。

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鳥居をくぐる時は一礼。

真ん中を通らず、端を通る。
神社内では道をまたぐことはしてはならない。

お賽銭を入れ、鐘を鳴らして
二礼二拍手一礼

願い事を言う時はまずは感謝から。
そして名前、住所、願い事
この順番で願掛けをしていく。

「(昨日は神様のご加護があり怪我なく過ごすことが出来ました。ありがとうございました。俺の名前は星と言います、願い事は………」

そう、これが俺の日課。

朝早くにこの神社に来て神様に挨拶してから仕事に行くのがいつものルーティン。

と言ってもこの神社には神職さんはいない。
だから、時間があれば掃除だって俺がするし、休みの日にはまとめて大掃除なんてざらにある。

帰る時も真ん中は歩かず、端を歩く。
鳥居をくぐったら振り返ってお辞儀。
ここまでがルールであり、礼儀だ。

「やべ、遅刻する!!」

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「おい星!!!お前はまた同じミスを!!((グチグチ」

「まことに、申し訳ございません、!!」

「本当に申し訳ねえと思ってんのか!?あぁ!?」

今日もまた、ミスばかりした俺は上司に怒鳴りつけられていた。
周りはそんな俺をチラリと見ては各々の仕事に戻って行った。

誰も助けてはくれない。

昔からそうだった、何があっても周りは俺の事を助けてはくれなかった。

友人も先生も、親さえも。

そんな時だった

「まあまあ、課長落ち着いて、そんなに怒ったら頭の血管切れてしまいますよ」

俺の前にサッと現れたのは、俺がまだ新人だった頃に仕事を教えてくれた人だった。

「そもそもまだここに来て半年も経っていない星をそんなに怒鳴りつけるのはあまり見ていていいものじゃないですよ。」

「ぐぬぬ、ならお前がもっとしっかり星に指導しろ!!俺はもう知らん!」

「ははは、分かりました。」

そういうと林さんは「じゃ、星くん、とりあえずミスしたところから直していこうか」といい俺を自分のデスクスペースに連れていった。

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[とまあこんな感じだけど、どうだい、できそうかい?」

「はい!大丈夫です!!教えて下さりありがとうございます!!」

「良かった、じゃあまた分からないことがあったら遠慮なく聞いてね}

林さんは「ちょっと休憩してくるね」と言って休憩室に行った。

嬉しかった。
誰かに助けて貰えたことが、
誰かに親切にして貰えたことが。

何より嬉しかったのだ。

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