🦈鏖喰狂炎鵲🦈

2025/11/23 00:31

クローンとそのお嫁さんはねぇ

確かクローンの一目惚れから始まったんだよね

お嫁さんは貴族のお嬢さん
クローンは平民で尚且つ病弱な男

家族から厄介払いされてたクローンと
家族からいない扱いされてた嫁さん

クローンは一目惚れした時から怪しまれないように徐々に交流してった
ある時は手紙を書いて
ある時は押し花とかをプレゼントして

嫁さんはそれを嬉しがったし、何より自分を1人の女の子として見てくれるクローンが好きだった

クローンは足が悪い上に少しでも走れば即座に倒れるほど弱かった
だから毎日車椅子生活

嫁さんはそんなクローンを初めて見た時
1歩も引かず
慰めの言葉もかけず

これからは一人じゃなくて、二人でお散歩できますねって

ふたりは色んなところに行った

街、海、花畑

あまり外に出ない2人からしたら天国のような時間だった

そしてふたりは人里離れたところに家を建てひっそりと暮らすことにした

でもクローンの病気は悪くなる一方

クローンは嫁さんを置いていきたくなかったし
嫁さんはクローンを、せめて病気だけでも直してあげたかった

ある日、2人の家に研究者と名乗る男が訪れた

「その病気は今の医療技術じゃ治らない。でも、希望はある。」

研究者はほぼ人体実験のようなことを教えてきた
自分たちの作った体で生き続けてる人間がいる
それは悪いところだけを代替え品として人工的なものに変えることで生き続けられると

普通の人間なら拒否したいような提案だが、もう時間のないクローンからしてみれば夢にも思ってなかった提案だった

だから嫁さんもクローンも了承した

そしてそれは本当に成功した

クローンは走り回れるようになった
あんなに痛がってた体の痛みは何もない
不調もない
気持ち悪いほど元気だった

嫁さんは喜んだ
病気が治った上にあんなにも幸せそうな夫の姿を見れて

そして何年も幸せに暮らしたある日

クローンの体に不調がきた

まぁ人工的に作ったものだから劣化は来ると思っていた

だから研究者のところに行って不調を伝えた
手術かと思ったが、食材を渡されただけだった

でもその食材を食べた次の日は不調が治った

数年単位だった不調は
数ヶ月
数日
と、どんどん短くなっていった

初めは苦しいだけだったのに

次第に

自分の1番近くにいる
自分にいちばん愛情をくれる

嫁さんが

とても美味しそうに見えた

衝動だった

気がつけば自分の口は血にまみれてて

どろりとした液体が地面に落ちた















横たわる彼女は幸せそうだった

研究者は言う
実験は成功だったと

研究者は言う
同意のうえだったと

研究者は言う
これで完成だと

研究者は言う
これで君は完璧な肉体を手に入れたと

神には劣るかもしれないが

食物連鎖の上に立つ人間よりは上だと

神の下なだけであって、他の生物よりかは上だと

そんなことはどうでもよかった

なぜこんな衝動があったのか


げんきたちはにっこりと笑うだけだった

げんきってなんだ研究者ね( ˙꒳​˙ )

ここで人物設定

クローン
元人間、名前不明
本人曰く名前は忘れた
嫁さんの顔を覚えているかと言われればYES
嫁さんに一目惚れし、猛烈アタックをして結ばれた
そして最後は衝動に負けて喰ってしまった哀れな男
生きたいが為に人を捨て永遠を得てしまった

人形族の長であり、フレイの師匠、人形族時代のファヴィエが暴走しフレイを殺そうとした時一撃で腹を蹴り飛ばして黙らせるほどの実力
フレイが研究所から脱走するのを手伝った男
人間やめて晴れて不老不死へ

嫁さん（クローンの嫁さん、とよく呼ばれてる）
ニコニコ笑顔、笑えばお花が飛ぶような人
どっかの貴族のお嬢さん
妹がひとりいて、自分は忘れ去られた存在
家族のことは別に恨んでもなければ関心もない。ただクローンが幸せならオールオッケー
クローンに食われることは何となくわかってたしまったく恨んでない（クローンは恨んでると思ってる）なんならひとつになれてニッコニコ
生き霊みたいになってクローンにくっついてる（死神族からはよく見えるらしい）
お嬢さんなのに、武器は自分の体よりも大きい大剣をよく振り回してた（らしい）
クローンの口から自分の惚け話が出ると嬉しすぎて昇天しかける
フレイのこともファヴィエのことも知ってるしなんなら親目線で見てる

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