もちろん、これはたとえ話です。
たとえば昔、あるところにお城がありました。
なに不自由無く育ったお姫様は幸せであることに飽き、実験と称しては塔の上から袋詰めの猫を落としその自由落下の中に生命の意味を見出していたのでした。
もちろん、これはたとえ話です。
けれども落とせば落とす程、お姫様はわからなくなってしまったのです。
人生ってわからないな。
お姫様は家来に命じて自分に似た年恰好の十二人の娘をさらい、自分と同じ服を着せ、自分と同じ化粧をさせ、窓から落としました。
十二人目を落とし終えた後、お姫様は人生ってわからないなと言いました。
そしてお姫様は一生幸せに暮らしましたとさ。
もちろん、これはたとえ話です。
けれども例えばそれが人生というものなら、
私は・・・私は・・・
私は・・・塔から落ちた十二人の娘みたいに地面に深く潜って化石みたいに、
綺麗な宝石になりたい。
コメント(1)
ゆう
2024/4/7 08:31
ヒカリ/佐藤裕美
ジサツのための101の方法 OP
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