あなたのことが本当に好きだった。夢の中でたくさん会った。ずっと、そうなったらいいなって思ってた。早朝の霞まみれになった麓や、二人で歩く高速道路や、ずっと想像していた狭い部屋、熱帯を模した植物園とオオゴマダラ、すべて的外れだったけどそれでもお前は泣いてくれたから。別れ際、控えめなハグをしてくれたから。だから、苦しい時が永遠に続こうが、何も言葉が出てこなくても、最善の立ち回りが出来なくったって、良いのだ。お前のことを思い出すのは苦しいけど、理不尽ではないし、べつにこのままでもいい。もはや何もない、このままでいい。たまに休日、あの時の劣化版みたいな夢を見て、それに浸らせてほしい。
😭
12