ルルルイススススの過去置くコピペ失礼します
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めら
2024/12/31 13:44
コピペ失礼
1700年代、ある大きな会社の家庭に、1人の娘が生まれた。
ルイス・シャーロット。生まれつき綺麗なブロンドの髪色をした肌の白い少女だった。
だが、両親にとってそれはあまり望ましく無いことだった。
なぜなら、跡継ぎにするには相応しくない子供だったからだ。
女で、色素が薄く、長生きは出来ないと言われていたからだ。
それでもルイスは、この家に生まれて良かった。と思っていた。
ルイスには1人の兄が居た。
デンベル・シャーロットといった。ルイスと同じブロンド色の髪だった。
デンベルはシャーロット家において、たった1人の息子であり、跡継ぎ候補だったため、
たいへん可愛がられていた。
シャーロット家がたった1人の息子を可愛がるように、
デンベルもたった1人の妹を可愛がった。
ルイスは、壁の薄くて、質素な部屋に1人だった。
学びも受けられず、物も机と椅子、ベッド以外なにも無かった。
他は少し高い所に位置した窓くらいしか無かった。
それでもルイスは幸せだった。
だって、デンベルがいろいろ教えてくれたのだから。
デンベルは毎日14:00頃にルイスの部屋へ来た。
ある日には絵本を読んでくれたり、ある日には屋根裏部屋に連れていってくれたり…、、。
屋根裏部屋には、他の部屋の暖房が効いていて、子供2人入るには充分快適な場所だった。
ルイスはデンベルに勉強も教えてもらっていた。
誕生日が来るごとに分厚い本をプレゼントしてくれたのだ。
両親は、あまり気に食わなかったが、デンベルがなんとか説得し、
2人は仲の良いまま居ることができた。
ルイスの10歳の誕生日。
その日の朝もいつも通りだった。
いつも通り遣いがご飯を置いて行き、、
いつも通り本を読み、、
そしていつも通りデンベルが来た。
『今日は特別だよ、ルイス』
そう言ってデンベルはある小包を取り出した。
『なぁに?これ』
『開けてごらん』
中から出てきたのはしゃぼん玉だった。
ルイスがだいすきな絵本にでてくるしゃぼん玉。
目を輝かせて兄を見た。
『吹いてみて?』
と優しく微笑んだ。
少し高い所にある部屋の窓を、椅子に登って開けた後
外に向かってしゃぼん玉を吹いた。
太陽に光に反射して、虹色に照らされる。
くっついたり、はじけたりして空へ飛んでった。
『それを兄ちゃんだと思ってね。きっと寂しくないから。』
と言って、デンベルは部屋から出た。
時計の針は15:03を指していた。
それから少しすると、部屋の外が騒がしくなった。
部屋の外をこっそり覗くと遣いが1人佇んでいた。
何があったのか聞くと、
『デンベル様がいなくなったのよ!』
と、声を荒げた。
ルイスは驚いた。だって、ついさっきまで一緒に……。。
時計の針は17:00を越えていた。
もうそんなに経っていたのか…。と思っていると、遣いが続けてこう言った。
『屋敷中探してもいない!!今、外は雪が降ってるってのに!!
デンベル様と最後にすれ違ったのは16:00前なのよ!?
外にいるとすんなら…もうデンベル様が生きている訳が無いじゃない…!!!』
「生きているわけが無い。」
兄が、??
たった1人、私を愛してくれた兄が??
生きているわけが無い…??
ルイスは急いで部屋から飛び出た。
(私ならお兄ちゃんの居場所が分かる…)
そんな根拠の無い自信の元、裸足のまま屋敷を駆け回った。
めったに部屋の外には出ないから、迷子になりそうだったけれど
見覚えのある階段を見つけると急いでそこへ向かった。
(屋根裏部屋…)
窓が開いていた。
最悪の事態が頭を過ぎる。
ここから落ちたとしたら、お兄ちゃんはどうなる?
散々の物に埋もれた錆びた時計は、17:12と示している。
窓の外を覗こうとしたが、勇気が出なかった。
(気のせいだ。きっと…。)
丁度、下に誰かが来た音がした。
3人ほど、遣いが来た。
ルイスは暖房の効いた部屋で冷や汗を流しながら目を細めて見つめていた。
嫌な予感がした。
3人のうちの1人はその場にしゃがみこみ、
1人は何かを抱き抱え、あと1人は悲鳴をあげる。
17△△年、7月13日デンベル・シャーロット他界。
翌々日、デンベルが亡くなったことが公の場に出た。
自殺だと判断された。
母親は泣き崩れてしばらく食べ物を口にせず、
父親はそんな妻をよそに、跡継ぎがいなくなったことの心配をし始めていた。
後に、シャーロット家の会社の跡継ぎは、父親の弟家族の物となったそうだ。
ルイスは1人、しゃぼん玉を吹いていた。
第一章 ルイスの兄。
めら
2024/12/31 13:44
デンベルが他界した翌々日、街は大騒ぎだった。
なんてったって、「頭が良い」、「性格が良い」、「容姿が良い」の3点セット。
いつも笑顔だったために、
『あんな良い子を自殺させるなんて!!』
と、シャーロット家は大批判された。
屋敷に人が押し寄せて、罵声が聞こえる。
母親はまだ泣き止まない。
父親と遣い達が必死に人々を説得させる。
そんな中、ルイスは部屋で何やらメモをしていた。
(お兄ちゃんが自殺するわけ無い…。)
【第二章 言うコト聞けない。】
ルイスは、兄が自殺するわけ無いと思っていた。
だって、全てに恵まれていたのだから。
勉学も、運動も、全て達者だった兄は何に不満で自殺したのだろうか。
答えはいくら考えても出なかった。
『そもそも自殺じゃ無いのでは、…誰かに殺されたんじゃ…?』
ルイスが最後にデンベルと会ったのは15:00頃。
遣いが最後にデンベルとすれ違ったのは16:00前。
屋根裏部屋へ行ったときは17:10頃。
死亡が確認されたのが17:20頃。
『…おかしい。』
遺体が自然と冷え始めるのは、亡くなってから約1時間。
遺体が見つかったときにはもう雪など関係無く冷えていた。
もしも、遣いが最後にすれ違った16:00頃、
その後すぐに屋根裏部屋から飛び降りたのであれば、辻褄が合う。
16:00から17:00の間に遺体が冷たくなるのだから。
でも、ルイスが屋根裏部屋に行ったときの17:10頃、
屋根裏部屋はまだ暖かかった。窓が開いていたのにも関わらず。
ということは、屋根裏部屋の窓が開く、飛び降りた時刻は17:10頃から大して変わらないのだ。
そうなると、16:00に「飛び降りた」のでは無く、「誰かに殺された」と考えるのが正しい。
そして、何者かによって殺されたデンベルの遺体が、
17:00頃に屋根裏部屋から落とされた。
それじゃあ、デンベルは誰によって殺された…??
デンベルが死んで、嬉しいのは誰?得をしたのは誰…?
そう、ルイスの父親の弟家族だ。
会社の有権者となり、自分も息子を産めば、その後の権力も自らのものとなる。
デンベルが死んだことによって得をするのは…
『こいつだ。』
デンベルの遺体を調べればきっと証拠が出る。
なにか薬を飲まされているのかもしれないし、首を絞められたのかもしれない。
でも、それでも。
そんなこと言える雰囲気では無かった。
今リビングへ行って
「お兄ちゃんは自殺じゃない!」
なんて言おうものなら…まぁ…あたしの首は無くなるだろう…。
なんせ、今いる遣い達はみんな弟家族から給料を貰っている。
もう、うんざりだ。
素直に自分の意見も言えない。
あたしだって、いつまでも言うコト聞くわけじゃないんだから
『お母さん、あたし、家出てく。』
それだけ言って、屋敷を出た。
お母さんは「ふざけるな」と言っていたが止めはしなかった。
遣いも、門番も、何か言いたげだったが止めはしなかった。
やっぱみんなあたしのこといらなかったんだ。
辺りは暗くなり始めていた。
感情に任せて家出してきたけれど、少し落ち着こうか…。
何も考えずにそこらへんを歩いていると、
よく分からないところへ来てしまったようだ。
狭い通路で、なんだか臭う。そこらの料理屋さんの匂いがまじって気持ち悪い
『〜〜!』
『〜?〜〜!!!』
話し声が聞こえる。男の人っぽい声。
…声が遠くなった。どっかいったんだ。
何してたんだろ…と思い、興味本位で近寄る。
『なにこれ、お菓子みたい…?』
ソレは丸くって、一本、線のようなくぼみがあった。
匂いは甘い…?
……食べちゃおうかな。
なんて考えて、冗談のつもりで口の近くに持っていく。
『ニャ゛ーッ!!!!』
『!?』
ごく。
やってしまった。
突然現れた猫にびびって変なソレを食べてしまった。
猫は喧嘩してたっぽいけど…タイミング悪くない??
(何もおきませんように…)
とだけ祈ってその日はそこで寝た。
めら
2024/12/31 13:45
……案の定である。
そりゃあ怪しい男達が話してたとこにある
謎のラムネ状の甘いものなんて、なんにも起きないわけがなかろう。
でも、これは少しわかりやすすぎなのではないか。
昨日との変化。
まず羽が生えた。わけがわからない。
次に、歯に違和感がある。牙でも生えたんじゃないかな。さっき口噛んだ。めっちゃ痛い
そして、体のだるさを感じない。体重軽くなった感じがする…。
こんなんヴァンパイアじゃんか…
『ん、新聞?』
《ビオラ・シャーロット、長男の自殺に『意味がわからない』……》
『お父さん……』
ビオラ・シャーロットというのは父の名前だ。
『意味がわからない』というのはきっと……、、兄のことであろう。
その新聞をよく見ると、右下に小さな見出しがあった。
《ヴァンパイアになる薬⁉︎ 専門家の見解》
内容は、最近の裏業界では「ヴァンパイアになる薬」たるものが取引されている
というものだった。
それでも、その薬は飲んだ者の体に大きな負担を与えるらしく、
ヴァンパイアになれるものは極一部…だそうだ。
また、ヴァンパイアになった者は最低でも1日に一度、血を吸わなければならないらしい
血を吸われると、、噛まれた所からウイルスがどうたらこうたらして
1週間以内には死ぬ…。
なんて、きっと数週間前の私ならただの都市伝説だと受け流していただろうが
今は話が違う。
そして、1番気になったところが、、
『ヴァンパイアになった者は原則、処刑される。』
どうしよう。
羽も生えているし牙もある…。
吸う血も無いから見つかっても見つからなくても死ぬなー…。
『餓死するよりかは首切り処刑された方が良いかなぁ…』
まぁ…、、そんなこと考えてる暇は無い。
兄の分まであたしは生きる。復讐する。って決めたから。
とりあえず、この薄暗くせまい通路からは抜けないといけない。
『羽ってしまえるかな…??』
気合いでぐっ!!ってやってみるといけた。
さっきまでは邪魔な程大きかった黒い羽が一気に引っ込んだ。
けど、なんか背中に違和感を感じる。
牙は口を開けなければいいのだ。
よし、いける。
昨日より遥に明るい空。
今まで生きててこんな晴天の日、外に出てきたことは無かった。
けどさ、ヴァンパイアって日の光に弱いんじゃなかったけ。
前に小説でそう書いてあった…はず。
誰かに帽子をもらおう…あと靴も。半袖もちょっとやだな。
今日の収穫。
イケてるおじさまが譲ってくれたトップハットと、
髪の長いお姉様がくれたロングコート。
そして、あたしと同じくらいの子がくれたお靴。
完璧すぎる。
でもちょっとトップハットが大きすぎるかも。
ほぼ前見えない
『んしょ』
トップハットをちょいと傾けて前を見ると、
通る人みんなが上品な装いをしている。
ちょっと浮いてる、、かな。
でもお金を持っていないのだ。服なんて買えない。
食べ物も…血なんて無理。
なにか仕事をしなければ、、、…。
『何これ、…すごい綺麗』
足元に赤くて丸いものが3つほど転がってきた。
【第三章 レッドジャスパー】
『あーっ!!ごめんねぇお嬢ちゃん!』
片目だけにメガネをかけた襟足の長いお姉さんだ。
『これ、なんですか?』
『え?あぁこれはね、宝石だよ。レッドジャスパーって言うんだ。』
レッドジャスパーというものは、宝石…というには光沢が少なくて、
上品な感じだった。
『ん、君さ、ママはいる? 今1人なの?』
ママ…はいないのと等しい。
実際今1人だし。
『いないです。』
『パパは?』
『いないです。』
お姉さんは、うーん…と少し首を傾げてから言った。
『うちに来る?』
・
・
・
『お姉さん、どうぞ』
『はい、ありがとう』
そのお姉さんは宝石鑑定士だと言う。
黒い手袋をつけて、片目にメガネをつけて、
左手でつかんで真剣に宝石を見てる。
そして右手でなにかをメモしている。
お給料はまぁまぁ高いらしい
あたしはその手伝いをしていた。いわゆる雑用。
ルーペを渡したり、メモ用紙を変えたり、…。
でも殆どやることは無いからお姉さんの隣で宝石図鑑を見たりしている。
『ふー、…休憩休憩。』
『コーヒーあげる、お姉さん。』
『えぇ⁉︎ 気が効くねぇ。ありがとう』
一緒に宝石図鑑を見てた。
お姉さんはいろいろ教えてくれた。
これは激レアなんだよぉ、とか、この宝石は安いんだよぉ、とか。
楽しかった。
『…ところでさ、まだ名前言ってなかったよね?』
確かにそうだった。
お姉さんの名前は、『よもぎ』と言った。
ニホンという国から来たらしい。
家が裕福で、いろいろと限られてきたから1人で海外へ来たそうな。
『えーっとルイス、もう一個気になることがあるんだけどさぁ、、』
『んー完璧!最高!』
フリルの多いブラウス、の上にレザーバストアップ。
前のよりちゃんとしたコルセットに、
パニエの上には上品な紫のスカート…。少し短い。
あと靴下。
そして、襟元、コルセット、スカートに計6つのレッドジャスパー。
『あ、あとこれも』
片眼鏡。よもぎ姉さんとお揃いの。
『これでほんとのほんとに完璧!最高!大好きだよぉルイス!』
めら
2024/12/31 13:45
暇だ。
最近は物騒なことも無くって、なにか特別なことがあるわけでも無い。
外にはいつも通りの人がいるし、いつも通り花が揺れて、しゃぼん玉が空を舞う。
宝石店にも、いつも通り常連さんが来ていた。
「こんにちは、お嬢ちゃん」
このおじさんがその常連さん。
落ち着いたトーンの声で、毎回なにかの貴重品を持ってくる。
たまに売り物の宝石も買っていってくれる。
お金持ちだなぁ…と思うけど、私はあんま好きじゃない
なんでかって言ったら、このおじさんは…、、。
…いや、お客さんの悪口言っちゃダメか。
「ルイスーっ!!お客さんが呼んどるよぉーっ!」
よもぎ姉さんの声だ。
お客さんってあのおじさんかな…?
予想的中。
「あぁ!お嬢ちゃん。こんにちは」
「こんにちは、常連さん」
「えっとね、ちょっと話があって…。外に来て話しても良いかい?」
今は真昼間。外に出たら焼けて死んでしまう。
よもぎ姉さんは…だめだ。他のお客さんの相手してる。
「…なんでですか、」
「変なことじゃないさ!少し気になることがあってね」
絶対に信用しちゃいけない気がする
でも今、外に出なかったら、多分怪しまれてしまう。
一か八か、どうにかなるか
「おぉ、お嬢ちゃん外に出れたんだね?」
いや私が1番驚いてますって。なんで私、焼けてないの??
まぁまぁ怪しいな。とは思ってたけど…。
ここ1週間、血なんて飲めてない。それでも元気いっぱい。
「まぁそんなことよりさ、君のこと、見たことある気がするんだよね」
「そ、…うなんですか」
「君は?ぼくのこと、見たことない?ほら、この店以外で」
「…無いですね。」
嘘です。あります。
この宝石店に来る前から、見たことあります。
「君の名前は?」
嘘をつかなきゃ
「オリヴィア・ブラウンです。」
「…冗談はよしてよ。君の名前はルイス・シャーロット。」
「違います。」
「ビオラ・シャーロットの娘で、」
「違います。」
「デンベル・シャーロットの妹だ。」
「…違います、!!」
つい、大きな声を出してしまった。
「もう、わかるだろう?ぼくのこと」
わかってるよ。嫌というほど。
こいつは、シャーロット家の遣いだ。
それも、弟家族の方の。
デンベルが殺されてから、私だけじゃなくって、私の父と母にも嫌がらせをしてきた。
「…涙が出てるよ、ルイス?」
うるさい
「家が恋しい?」
そんなわけがない
「自分の家に、帰ろう?」
嫌に決まっている
「ルイス!!!」
よもぎ姉さんだ…!
「あ、あぁ。よもぎさん、どうも。」
「どうも、常連さん。ルイスがいきなりいなくなったもんで、…。
焦っておっきい声出しちゃいました…、。」
「えーと…なんのお話をされてたんですか?」
「宝石のことをたくさん教えてもらっていたのですよ」
この嘘つきが……。
「あぁ!そうだったんですね!邪魔しちゃってすみません、、!」
え、よもぎ姉さんどっか行っちゃうの!?
「まっt… 」
「あぶないねぇまったく。ほら、ルイス、行こう。」
【第四章 ただいま。】
「見つけました。」
「良い仕事するねぇ!給料アップ。」
「ありがとうございます」
まるで性格が変わりやがったこいつ。
あれからされるがままに元の家に連れ戻された。
初めて来る、今の社長の部屋。
無駄に豪華だ。
「さてと、ルイス?いくつか聞きたいことがあるんだ。」
「…はい。」
「まず、ヴァンパイアになったのか?」
めら
2024/12/31 13:46
私は全部正直に伝えた。
もう失う物はなにも無い…、、はず…。
「困るなー? こーんな有名会社の家系からヴァンパイアが出た!
なんて世の中にバレたら、うちの信頼も無くなっちゃうわけよ〜…?」
「そうですか。」
「澄ましちゃってさ〜。ちゃんと話聞いてた?今の自分の価値、分かってる?」
【第五章 空】
今の私はこの世から消えないといけない存在だ。
私の存在がバレたら、家庭内差別も、シャーロット家からヴァンパイアが出たという事実も全て筒抜けになってしまう。
「よく分かってんじゃんルイス。それなりに頭は良いんだね」
つまり、私と関わった人間も、この世から消えないといけない。
「そういうこと!大正解〜〜」
「ってことだからさ!ルイスと仲が良いのかわかんないけど…。
よもぎ?だっけなぁ…その子は今、遣いが迎えに行ってるんだよねぇ〜」
「殺すんですか?」
「えぇもちろん。近い内にルイスも死ぬさ。」
「何のためですか?」
「えぇ…?まぁ、うちの会社にとって、都合が悪いからさ?」
だからといって、私が殺されるのなら
私にとっても都合が悪いことだ。
「ただいま。よもぎ姉さん」
返事は返ってこない。机の上にはメモがある。
日本語?で書いてあるからよく読めないけど…、、
仕事してたのかな
「ごめんなさい、私のせいで巻き込んじゃって」
案の定、よもぎ姉さんは殺された。
私のせいで殺された。
私がいなかったら、今も変わらず仕事してたのかな
「よもぎ姉さん、安心して休んでね。もう大丈夫だから」
『シャーロット一家 何者かによって惨殺か』
そんな新聞が出回っている。
世の中はパニック状態になっていた
跡継ぎ予定だった息子が自殺、
その次は一家が殺される。
「巨大な殺人熊がいるんじゃないか」とか、
「鬼がいるんだ!」とか…。
いろんな仮説が出たけれど、全部違う。
煌びやかな見た目の部屋とは裏腹に、生臭いような、鉄臭いような匂いが広がる。
誰のか分かんない手首とかいろいろあるけど…処理めんどくさいからまぁいっか。
私のお母さんとお父さんはまだこのことを知らない。
無駄に広い屋敷の中も一応2つにわかれてて、長い廊下を挟んで2家族住んでいるのだ。
お母さんとお父さんを殺す理由は特に無いので、このまま逃げようと思う。
きっと、会社の権力が戻ってくるから嬉しいんじゃないかな。
産んでくれたことは感謝してるよお母さん。親孝行ってやつ?
「ん…雪?」
外は雪が降っていた。
季節外れだな〜と思いつつ。
デンベルが死んだときにも季節外れな雪が降っていた。
「異常気象だ!」って言われてたけど…実際どうなんだろ
でも、雪が降ってるときに碌なことがないな〜とは思う。
今回ばかりは自分のせいだけどね
発端はあいつだし。名前はなんだっけか。
たしか…「デルフィニウム・シャーロット」とかだったはず…。
私のお父さんが「ビオラ・シャーロット」だったからな〜
兄弟揃って洒落た名前だな
ってそろそろ屋敷から出ていかないとじゃん。
さよーなら誰もいないマイハウス…。
めら
2024/12/31 13:46
「ち゛ゅー…」
誤って薬を飲んでしまったあの路地裏で、
今は食料確保をしている。
あからさまに治安の悪い薄暗い路地裏。
蜘蛛の巣なんて当たり前だし、名前は出さないけど…
無駄に足が多い虫も、やけにすばしっこい虫も…大体いる
まじで、動物が住むようなとこでは無い。
そんなんだから、「裏の人」達がよく居る。
体中にピアスを開けたガタイの良いおっさん、全身真っ黒ファッションの
ヤクザみたいなジジイ、…とかね。
たまにひょろひょろの人生終わった…みたいな顔した若い男も来る。
今は迷い込んだであろう私より小さい子供の血を吸ってる
こういうとこで無いと血は吸えない。
でも、そろそろ潮時かな
【第六章 オモイデ】
異天候の雪に、有名会社の1人息子が亡くなったあの日から、もう4年近く経った。
街でもその話題が出ていた。
新聞でも、『シャーロット家の秘密に迫る!』だの、そういう記事ばっかだった。
そんな中でも、目に止まる記事があった。
『デンベルに妹!?写真に写り込んだ1人の少女の正体とは……
「…なにこれ?バカらしいね」
「うっさいな…。呼んでないし。でもほんとバカらしい」
お決まりの路地裏で2人で座って新聞を読む。
こちらからしたらただ単に事実が並べられているだけの新聞だが、
世間からしたらビッグニュースだ。
「え、やばw 見てルイスちゃん、『この写真に写っているのはデンベルの妹だと推測します。』だってさ?w」
「推測も何も、事実だっつーの…」
「何、どしたのルイスちゃん、気分低くなーい??」
「あーもー!!うるさいの!!こっちは静かに1人で新聞読みたいだけなの!!!」
『ひどーい』と言いながら笑ってるのはネヴァ。
一言で言うと「クズ」
「かわいい女の子」に会いたいがためにドイツからイギリスに来たただの馬鹿。
具体的に誰に会いたいのかは教えてくれない
ほんと見切り発車で来たんだな…
「あーん、ルイスちゃーん!!ぼくお腹空いちゃった!!可愛い子探しに行こーよー!!」
「うるっさい。声でかい。そこらにいる巨体ジジイの血でも吸ってろクズ野郎」
「もー…。てかルイスちゃんさ?きったねぇジジイの血吸うの辞めな??
汚物が感染っちゃうじゃん!!」
別に、元から綺麗なわけでは無いし。なんなら汚いし…。
と思ったけど言わないでおいた。
「せっかくかわいいんだからさ」
「何、ゴマすり?」
「…えっへ…バレた?」
ネヴァもヴァンパイアだ。笑うと牙が見える。
黒色の髪の毛に、所々オレンジ色が入っている。
今はこんなだけど、最初に会ったときは壮絶だった。
大して思い出も無いあの屋敷が赤色に染まったあの日。
確かあの日も雪が降っていて…歩きにくかったなー…
そんなときにネヴァに会った。
なんかわかった。雪を降らせてるのはコイツだってさ。
雪の中走り回って、まるでなんか探してる感じ。
親でも殺されたように必死に走ってた。
自分で雪降らせてるくせに変な奴だなって思って……
「そこまでして、何がしたいの?」
って聞いてみた。単純な疑問だった。
結構すばしっこかったんだよねー…雪の中をよく走るよ。
「ルイスちゃん?どしたの?上の空だったけど。」
「んーなんでも無い。」
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