ぎゆさんとさびとと夢主
一応同じウロコ滝さんの弟子の設定
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包
2025/8/23 19:07
炊きたての白いご飯の湯気がふわりと立ち上る。
木の膳を囲んで、夢主と錆兎と義勇、3人並んでの夕食。焼き魚の香ばしい匂いと、味噌汁の優しい湯気が食卓を優しく包んでいた。
ふと隣に座る錆兎の方を見ると、そのすべすべとした頬に米粒がついているのを見つけた。
綺麗な済ました顔に、米粒をつけているのがどうも面白くて、つい小さく笑ってしまった。
「…ふふ」
「……なんだ?」
顔を顰めてこっちを向くから、慌てて弁解した。
「あ、ごめんごめん。錆兎のほっぺに米粒がついてたから…」
そう言い、私は錆兎の頬に手を伸ばし、指先でそっと米粒を取ってあげた。
「悪いな、ありがとう」
錆兎はふっと微笑み、少し照れたように目を伏せた。
そのとき、反対側の私の着物の裾がちょいちょいとつままれた。
振り返ると、義勇のきらきらとした期待の目と、わざとらしく頬につけられた米粒があった。
「………」
何も言わないけれど、そのきらきらとしたつぶらな瞳が『俺のも取ってくれ』と語っているようだった。
私が思わず吹き出しそうになるより早く、錆兎が声を上げた。
「それくらい自分で取れ!」
義勇はムスッとしながら、けどまっすぐ言い返した。
「錆兎はさっき取ってもらっていた」
その顔に、錆兎が「お前な…」と頭を抱える。
一方で、私は困ってしまって、けど頬が緩んで…仕方なく、義勇の頬についた米粒を指先で取ってあげた。
義勇は目を細めて、嬉しそうに口元を緩めた。
そんな2人を見ていた錆兎も、呆れつつもどこか楽しそうで…
穏やかな夕食の時間に、小さな笑い声が弾んだ。
