🐰夢!!!
🐰が🌸の髪の毛直して…なお話
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包
2025/10/4 19:06
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「水の呼吸 参の型 流々舞い」
ゴロリと鬼の首が地面に転がり灰になる。水柱様はシャンと灰になる刀についた鬼の血をはらい、鞘に刀をしまった。
今日は水柱様、鱗滝錆兎様と共同任務だった。水柱様にこっそり想いを寄せている一般隊士の私からすれば、それはそれは驚いた。10回は鴉に聞き返しては鴉に怒られた。
結局私は水柱様の技術に圧倒され、自分の身を守ることくらいしかできなかった。
「怪我はないか?」
『はい、おかげさまで……。すみません、何もできなくて…』
「大丈夫だ。気にしなくていい。」
水柱様はそう言ってくれるけど、やっぱり申し訳ない。
というか、さっきから水柱様の視線を感じる。じっと見られている気がする。やっぱり迷惑だったかな……。
「…髪が乱れているな。直してやるからこっちに来い」
ピシャーンと私の中で雷が落ちた。
『いえ、そんな…!水柱様に髪を直してもらうなんて……』
「何も気にすることはない。ほら、こっちに来い」
『そ、そんな…………うぅ、分かりました…』
きっちり断ったらむしろ失礼なので、ここは大人しく直してもらおう。
くるりと、水柱様に背を向けた。
「ふ、いい子だな」
『っ……』
水柱様はこういう思わせぶりなところがある。全く、勘違いしてしまうからやめてほしい。こういうセリフは恋仲の人に言うべきなのに。
はらりと、水柱様が私の髪紐を解いた。水柱様が私の髪を梳く。
水柱様の鍛え抜かれたざらりとした手が耳を掠める度、意識してしまい私の心臓がはち切れんとばかりに鳴っている。
「お前の髪は綺麗だな」
『あ、ありがとうございます…』
顔、赤いのばれてないかな。心臓がうるさすぎて、こんな近距離では聞こえてしまっているのではないかな。
そうドギマギしているうちに水柱様がきゅっと髪を括った。
「終わったぞ。綺麗にできただろう」
そう彼は少し満足気に言った。
『ありがとうございます……』
きっとまだ顔が赤いだろうから、顔を合わせれずにいた。
が、気がついたら目の前に水柱様がいた。
『へ?』
「…かわいいな。顔が真っ赤になっている」
ばっ、と急いで顔を手で覆った。
「可愛い顔を隠すな」
が、結局水柱様に優しく手を退けられた。
『ぅ……ぁ……は、はずかし、です……』
最後の抵抗として、目線を逸らしながらか細く呟いた。
すると水柱様は一瞬目を見開いて、深く息を吐いた。
「本当にお前は……かわいいな」
こんなに何度もかわいいと言われ、私はもう息をはくはくとさせることしかできない。
顎をくいっと持ち上げられた。水柱様の綺麗な藤色の瞳と目が合う。ずいっと近づかれて、本能で口を吸われるとわかった私は、ぎゅっと目を瞑った。まだ恋仲ではないが、不思議と嫌ではなかった。
水柱様の息がかかる。
ちゅ、と予想していたところとは違う場所に口付けられた。
『うぇ、へ……?』
間抜けた声を出してしまい、水柱様に笑われた。
水柱様は口付けた私の頬をなぞりながら、
「今日はもう隠しが来てしまうからここまでだ。今度続きをしよう。な?」
と言った。
『ッ〜〜〜〜!み、水柱様!!』
明け方の森に、私の叫び声が響いた。
