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目を覚ますと、天使は其処に居る。
安心感が今日この頃、俺の日常に付き纏いいつの間にか心の霧は消え去っていた。

現実とは何かに変えては、何かに押し付ける事も出来ない重石の様な物だと私は思う。
こんなにも苦しいのなら、悶え苦しみ続けるのならばと価値なぞ無い人生を、とある日自害を考えた事もあったがそんな勇気は私には無くそのままその日その明後日と生き延びてしまった。所詮私は意気地無しの木偶の棒であり生きる意味を見失う蝋人形なのだと理解したのはそれがキッカケであった。
溜息を吐き、上司からの文言を堪えるのは非常に困難なものであった。私は人からの言葉を読み込むのが大変遅い、いや理解するのが大変遅いと言った方が良いか。
そのおかげで何度も、何度も叱られ続けるのは日常である。
私も改善を試みては居るが、それは容易なモノではないのが現実の重石の一つの理由である。
その様な紆余曲折、困難もある人生だが最近大きな変化が起こった事は誰にとっても私の表情や言葉から、雰囲気から見ては鮮明で分かりやすいものであろう。

ーー誰?
ーー俺は…。

土砂降りのその日、私は急ぎながら田舎である自宅に帰ろうと最終便のバスを待つ為にバス停へと向かい始めた。
其処で私は出逢う。
己の天使と、己の人生全てを覆す決定的な変異点と。

美しい御髪は土砂降りの暗闇であろうと滑らかに艶めき、輝いていた様に思える。一つ一つの所作は全て神に等しい程の神秘を感じさせた、指一つ動かすにしろ人間の様な無作法なものではない。白く艶やかなその肌を、全ては芸術の様に美しさの体現をしたかの様に、ゆっくりと動かすのだ。
動く芸術。天使は正にそれであるだろう、私は視界全てが君を映すと共にまるで天使の一つを動作も見逃さないかという様にスローモーションになった。
そして天使はその表情を見せた、恐怖を多少は滲ませていた様だが其処には天女の如く、長い睫毛と光沢を発する唇、そして形は整っている。
そして瞳は暗闇であるのも厭わずセルリアンブルーの輝きを放ち続け、まるでそれはハワイの美しい海の景色全てを瞳に閉じ込めた様な、昼間の青空を入れ込んだ様な惚れ惚れする瞳であった。
髪は長く、瞳を中々に魅せないがしかしその髪も芸術作品やモデルが持つ天使の輪が乗る御髪である事には間違いはない。天使の姿を見ればそれはもう、人間は全て魅了されるに違いはないだろう。
出来損ないであれど、私は人間である。

ーーあゝ、怖がらせてしまった様だ。
そして私は天使に手を伸ばした、どうやら天使は行き場がないのだとその話を聞けば分かる。
天使は考える脳がない私にも優しく、また非常に分かりやすい説明と言葉で接してくれた。私にとっては、最早あり余る日常をその日、その瞬間で帰られたのだ。
天使の話を聞けば、天使は捨てられてしまい行き場を無くしたらしい。
嗚呼、私の天使にそんな事をする輩がーー、天使を、自ら投げ出す阿呆の人間がーー。
しかしその出来事が無ければ私は天使には出逢えなかっただろう。
何処か複雑な思いで、天使に私は手を伸ばした。
天使はまるで迷い子の様な顔をするが、もしかしたら天使は私にだけ逢いに来てくれたのではないだろうか?
天使はその思いを話す中で、私が、私だけが救いであると言ってくれた。その顔は純情なる乙女の表情(かお)である。つまり、それは天使は私が唯一の存在で有るのか?
喜びと表現するには、あまりにも足りないがそれ以外では語彙の無い私にとっては未知数で有り知らぬ領域で有る。此処では、喜びや歓喜、とするが実際はそれ以上の言葉には出来ないものがあったと考えてもらって構わない。
天使は手を引く私を嬉々とした表情で見上げては、笑顔を魅せてくれた。やはり君は天使は私の救世主で有る。

最終便のバスを降りて、田舎道一本を行く。
その瞬間一つ一つが私にとっては全てを、この世の中の穢れから逃れられる瞬間になるのは唯一になるのは出逢った時から分かっていた。
天使は快活に喋りながら私の手を引き出した、これまでの家と違うのだ。そりゃ、ワクワクはしてくるだろう。
そんな子供らしい一面を見れた事に、私は何度歓喜しただろう。
そういや、部屋は片付けただろうか?

固まる思考回路、しかし天使なら少し驚くだけで片付けを手伝いながら沢山の一面を見せてくれるのだろうか…?そう考えると、固まった思考回路は微笑ましいその姿を想像したのか興奮へと切り替わっていった。

ーー此処が君の家?
ーーそうだよ、さあ、入ろうか。

コメント(1)

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コケコ

2025/3/29 09:20

ーーあゝ、怖がらせてしまった様だ。
そして私は天使に手を伸ばした、どうやら天使は行き場がないのだとその話を聞けば分かる。
天使は考える脳がない私にも優しく、また非常に分かりやすい説明と言葉で接してくれた。私にとっては、最早あり余る日常をその日、その瞬間で帰られたのだ。
天使の話を聞けば、天使は捨てられてしまい行き場を無くしたらしい。
嗚呼、私の天使にそんな事をする輩がーー、天使を、自ら投げ出す阿呆の人間がーー。
しかしその出来事が無ければ私は天使には出逢えなかっただろう。
何処か複雑な思いで、天使に私は手を伸ばした。
天使はまるで迷い子の様な顔をするが、もしかしたら天使は私にだけ逢いに来てくれたのではないだろうか?
天使はその思いを話す中で、私が、私だけが救いであると言ってくれた。その顔は純情なる乙女の表情(かお)である。つまり、それは天使は私が唯一の存在で有るのか?
喜びと表現するには、あまりにも足りないがそれ以外では語彙の無い私にとっては未知数で有り知らぬ領域で有る。此処では、喜びや歓喜、とするが実際はそれ以上の言葉には出来ないものがあったと考えてもらって構わない。
天使は手を引く私を嬉々とした表情で見上げては、笑顔を魅せてくれた。やはり君は天使は私の救世主で有る。

最終便のバスを降りて、田舎道一本を行く。
その瞬間一つ一つが私にとっては全てを、この世の中の穢れから逃れられる瞬間になるのは唯一になるのは出逢った時から分かっていた。
天使は快活に喋りながら私の手を引き出した、これまでの家と違うのだ。そりゃ、ワクワクはしてくるだろう。
そんな子供らしい一面を見れた事に、私は何度歓喜しただろう。
そういや、部屋は片付けただろうか?

固まる思考回路、しかし天使なら少し驚くだけで片付けを手伝いながら沢山の一面を見せてくれるのだろうか…?そう考えると、固まった思考回路は微笑ましいその姿を想像したのか興奮へと切り替わっていった。

ーー此処が君の家?
ーーそうだよ、さあ、入ろうか。

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