よるねこ@おえびじゅ
2026/3/6 17:40俺は眩い光に包まれた。
その光の中から微かに聞こえた。
「光輝…!!光…輝…!」
それは世界で一番優しい声だった。
光輝は目を見開く。
「透…羽…?透羽なのか…?!」
光がゆっくりと消える。
そこにいたのは、見慣れた顔。
あの馴れ馴れしい態度の、優しい笑顔。
「おかえり。」
透羽がそう言った。
光輝は一瞬固まった。
そして次の瞬間、透羽に思いっきり抱きつく。
「どこに行ってたんだよ!!」
声が震えていた。
「……心配、はしてないからな」
全然説得力のない強がりだった。
透羽はくすっと笑って、光輝の額を優しく撫でた。
「うんうん。ツンデレだねぇ」
「うるせぇ!」
その時。
上から声が聞こえた。
しかし、姿は見えない。
「ようこそ天界へ。わしは神じゃ。No.852364845。」
光輝は思わずツッコむ。
「いや多すぎだろ!!」
透羽は肩を震わせて笑っている。
神は気にせず続けた。
「お主らに新しい名前を授けよう。」
光輝は少し緊張した。
どんな名前なんだろう、と。
そして神は言った。
「お主の名前は――【ウォルド】じゃ。」
「……は?」
沈黙。
次の瞬間。
「あはっwwぷっwwウォルド!?厨二くさーい!!」
透羽が腹を抱えて笑い始めた。
「笑うな!!」
ウォルドは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「じゃあお前はなんなんだよ!!」
透羽はニヤニヤしながら言った。
「えーとね。【トゥイス】」
「お前の方が厨二だろ!!」
「いやウォルドの方が強いよww」
「うるせぇ!!」
二人は顔を見合わせて――
そして同時に笑った。
久しぶりに、心の底から。
神は満足そうに言う。
「ウォルド。本当はお主は悪魔なんじゃ。」
「は?」
「じゃが人のために死にたいと思った。
その心は、とても綺麗じゃ。」
ウォルドは黙った。
するとトゥイスが優しく言った。
「ウォル君、やっぱり優しいね」
「別に優しくねぇよ!」
「照れてる?」
「照れてねぇ!!」
神はさらに言う。
「そしてトゥイスは天使。
じゃが少々、執着が強い。」
トゥイスはにこっと笑った。
「ウォル君限定だけどね?」
ウォルドはため息をついた。
「めんどくせぇ…」
「ひどいなぁ」
神は続ける。
「お主らはこれから天界で暮らすことになる。
二人一緒にな。」
「は?」
ウォルドが眉をひそめる。
トゥイスは嬉しそうに言った。
「ねぇウォル君。一緒に住んでもいい?」
ウォルドは腕を組む。
「ヤダって言ったら?」
トゥイスは少し考えてから言った。
「泣いちゃうかも」
ウォルドは即答した。
「……いいよ」
「やった」
トゥイスは満面の笑みだった。
しばらく歩いて、天界の小さな家に着く。
雲でできた屋根。
光でできた窓。
ウォルドはキッチンを見ながら言う。
「何食べたい?」
トゥイスは少し考えて言った。
「……ウォル君が好きなもの」
ウォルドは一瞬固まった。
(ずるい……)
顔が少し赤くなる。
「……おけ」
「照れてる?」
「照れてない!!」
トゥイスは楽しそうに笑った。
その夜。
トゥイスはベッドの上で言った。
「ねぇウォル君」
「なんだよ」
「これからずっと一緒だね」
ウォルドは少しだけ黙る。
そして小さく言った。
「……まぁな」
トゥイスは嬉しそうに目を閉じた。
その様子を見て、ウォルドはぼそっと呟く。
「……ほんと、めんどくせぇ天使」
でも。
その顔は、少しだけ優しかった。
