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五、六年前、数時間道に迷った挙句雨が降ってきて絶望している陸玖に予備の折り畳み傘を貸して、地元だからと案内した事があり、その日から陸玖に懐かれているリアン(陸玖は他人に心を閉ざしてるけど一度懐くと忠犬になる)。
是非とも姉を紹介したいと言われ、色恋事に興味ないのに渋々軽いお見合いのような状況になる。
渡された住所を調べて家に行くと日本家屋の大豪邸で出迎えたのは明るく人当たりの良さそうな蒼空と少し睨みながら淡々と部屋まで案内する海斗。兄弟揃って顔がそっくりなのに雰囲気が全く違って、全員筋肉もあって身長も高めなのも相まって男らしい姉とかだったらどうしようと心配になるが部屋に着くとあらびっくり。そこに居たのは確かに顔に面影があるが美しく豊かな黒髪に椿の簪を着け、長い睫毛に大きく少しつり目がちで赤い瞳、高く通った鼻筋にふっくらと赤い唇。隣に座っている陸玖が立ち上がり「リアンさん、この人が俺の姉で照神椿と言います。姉さん、この人がリアンさん。凄く良い人だからきっと気に入る。」と紹介され、あの日傘を貸して案内したのはとんでもない利益への投資だったと思い知る。「ご紹介に預かったリアン・シュヴァルツだ。陸玖君からはリアンさんなどと呼ばれているが君は好きに呼んでくれ。」と口角が上がるのを我慢しながら握手の為に手を差し出すとぎこちなく握られ「えっと、それじゃあ私もリアンさんとお呼びしますね。本来なら私共が出向く所を今日は御足労頂き申し訳ありません。陸玖からお話は聞いております。私の弟を助けて頂きありがとうございました。」と鈴を転がすような澄んだ声で挨拶した後、少女のような無垢さで微笑みかけられもうたじたじになりそうだった。

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蜜柑🍊

2025/10/20 22:22

握った手の質感も絹のようで柔らかく温かい。成程これが姉だと生半可な男を宛てがいたくないだろうと陸玖の思惑に納得する。「三人共、後は二人で話したいから席を外してくれるか?」突然切り出す椿に驚く四人だが笑顔の下に固い意思を感じて大人しく出て行った。
初対面の美女と二人きりは気まずくて滝が描かれた掛け軸を眺めていると「リアンさん。私と結婚してくれませんか。」と話しかけられる。自然な流れ過ぎて思わず「あゝ、そうだな。願ってもない話だ。」と答えてしまう。
すぐに「待て。今、何て言った?」と聞き返すと「ですから、私と結婚して欲しいのです。出来るだけ早く。」と言われ混乱する。
「まだ初対面じゃないか。」
「陸玖が見初めた方です。あの子が間違える筈ありません。今は駆け引きの時間も勿体ないのです。」
「何を急ぐ必要がある。」
「何も。この人だと思ったので。貴方も私に見惚れてたでしょう?」
「情緒もへったくれも無いのか。」
「既に合意を望める状況での情緒等無駄ですから。貴方もそう思うでしょう?似た者同士、夫婦仲良くなれると思いませんか。」
「乗った。式はいつにする。」
「あまり早いと心配させるので来年はどうでしょうか。籍は半年後に入れましょう。」
「そうだな。新居は?」
「閑静な郊外に庭付き一軒家。車は二台。子供は?」
「三人は欲しい。男児が一人以上いると跡継ぎが楽だな。尤も、椿の身体に無理が無ければだが。」
「私も同じ事思っていました。私は父の○□会社で社長秘書をやっています。秘書検定は一級です。」
「私は◇△のCEOだ。そのままでも良いし私の秘書に転職しても良いし辞めてもいい。」
「でしたら働ける内は貴方の秘書をします。その間に愛を育んだとでも思わせておきましょう。」
「分かった。他にも話したいことはあるからその時にしよう。」
ととんでもないスピード婚が決定。不安にも思えるスタートダッシュだったが滅茶苦茶イチャイチャする愛重めな初心夫婦になる。子供は式終わって一年で晄が生まれてその翌年にフリッツィー&レナードの双子が生まれるラブラブっぷり。

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